エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜


「俺は、もう美唯がいなきゃ生きていけないとも思った……だから俺自身、美唯がいなくても生きていけるようにならなきゃいけないんだって思った……会社を内緒で立ち上げて、実績を上がって軌道に乗ってきたら、美唯を迎えに行こうと決めていたんだ」


そう言うと、麗央さんは私の手を握って手の甲にキスを落とす。


「俺は、もう、美唯がいなくても生きていける……だけど美唯がいなきゃ毎日が、味気ないんだ。君以外は、考えられない……それは今も変わらない。だから、美唯とゼロから始めたい。また俺と付き合ってください」

「え……っと……だけど、今アルバイトしていて」

「あぁ、それなら大丈夫だよ……その辺は武智がやってくれる」

「……ええ?」

「……言っておくけど、武智は今は、俺の秘書だけど俺と同じでタケフードの御曹司だよ? 美唯がバイトしていたファミレスも武智の家の管轄だからそこは大丈夫だよ」


武智さんが……御曹司? しかも、あのタケフードで、ファミレスも経営していてるって……。

じゃあなんで麗央さんの秘書を……? 


「まぁそこは置いとこう……で返事は? 美唯は俺のこと好き? 」

「……うん、好き」

「………!?」


麗央さんは、目を見開き「えっ? これ、夢? 振られてない!?」と言って頬を引っ張っている。


「私、麗央さんのこと一年あったのに忘れられなかった……ずっと好きで、だけど麗央さんはきっとご令嬢さんと結婚したんだろうなって諦めようって思いながらも……出来なくて諦めようとすればするほど好きだって自覚して、」


だから私は、強くなんかない……強かったらもっと早く忘れられていたかもしれない。前へ進めた、はずだ。





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