エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
それから一時間後─︎─︎─︎……。
「じゃあまた来てな、美唯さん」
「はい、ありがとうございます。次はお土産買っていきますね」
お父様とは、結構仲良くなれて世間話なんかも楽しくお話ができた。
「……結構仲良さそうだったね」
「いいお父様だね……楽しかったよお母様のことが本当に大好きなんだなって伝わってきたよ」
「まぁ、母さんが元気な頃は馬鹿ップルかよってくらいラブラブだったからな……そうだ、また兄貴も紹介するな」
へぇ……まぁ、あのデレデレはそうだろうとは思ったけど。
お兄さんがいたのか……。
『美唯さん、我慢してはいけないよ。辛いことあれば麗央でも私でもいい……相談しなさい。』
私を気にかけてくれるのは、お母様の時に何もできなかった償いのようなものだろうか。
いや、頼ってもらいたかったのかもしれない。
「じゃあ、俺らもラブラブしよっか」
「え、いや……あの」
「早く帰ろう! 久しぶりに美唯の料理食べたい」
料理かぁ……始まりは、料理だったなぁ。
「─︎─︎─︎麗央さん」
「ん……?」
「……愛してます」
麗央さんは固まるとこちらを向いた。
「えっ今、……なんて」
「……私は、麗央さんのことが好きです。大好きですっ」
そう言って、彼の唇に自分からキスをした。初めてかもしれない……自分から、なんて。