エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
「本題に入るんだけどいい?」
「あ、はいっ」
私は急いで食べようとしたけどそれは止められる。
「食べながらでいいよ、ゆっくり食べて? 」
「すみません、ありがとうございます」
だけど、話をしながら食べるのは気が引けてスプーンを紙ナプキンの上に置いた。
「さっき朝比奈さん住む場所と仕事がないって言っていたよね?」
「……あ、はいそうです」
「差し支えなければ理由を聞いてもいいかな?」
「少し前に……勤めていた会社が倒産してマンションも契約終了になるんです、引越し先も決まってなくて」
普通に話しちゃったよ、呆れられる……だってあのigarAshiの専務様だし。
助けだ女がなんもない私だし、『お礼をする』だなんて言っちゃったなぁって後悔してるかも、そう思い五十嵐さんの顔を見れば考え込んでいた。