エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
よく見たら五十嵐さん……綺麗な顔……。
黒髪で、鼻筋が通っていて薄い唇。芸能人みたいな……オーラもある。
「……あの、五十嵐さん? 」
「そうなんだ、辛かったね……マンションの契約終了はいつなの? 」
……今日は月曜日。契約終了日は、金曜日だ。
「今週の金曜日なんです」
「住む場所のあてはある? 」
「いえ……」
そう言うと五十嵐さんは「ちょっと待っていて」と言い、席を離れた。
やっぱり無理だと思ったのかどうやってこの場から立ち去ろうか考えに行ったのかな。
「お待たせ、朝比奈さん……! 料理はできるかな?」
「へ?」
「あの住み込みで仕事しない? 助けてもらったお礼がしたい。これくらいしか俺には出来ないからね」
「料理は出来ますけど一般的な料理で資格とかないです……」
「大丈夫、ノーは受け付けないよ朝比奈さん、プリン食べてから早速行こう」
「えぇっ!?」
そのあとは、残っていたプリンを食べ終えるとまた彼の運転で住み込みの仕事の場所に向かった。
そこは、誰もが知る……有名な高級マンションだった。