毎日お前の事で頭がいっぱい
「当時兄は学校の寮に入っていました
週末だけ帰ってきてました
私は毎日母親から虐待を受けて…
でも母親から口止めされていたので
言えなかった…」



「お兄さんは気づかなかったのか⁇」



「兄が帰って来ると優しくなるんです
母親もバレないように顔だけは叩かなかった
んです…身体はあざだらけでしたけど…
食事も兄が帰って来た時だけでした」



「どのくらい続いたんだ⁇」



「小学校4年生の時まで…
その時兄は医学生で…私の身体の成長が気になってたみたいです
それで不審に思って普段は週末に帰ってくるけど…母に黙って平日に帰ってきたんです
その時ちょうど私は母親に蹴られていて
それを見た兄が警察に通報したんです
母親はもう精神が崩壊してました」




「5年間も虐待を受けていたのか⁇」



「はい…だから…似たような場面だと
怖くなって意識を失うんです…
心療内科も受診しました
兄は心療内科のドクターになりました
私を育てながら大学を出て大変だったと
思います
でも何も言わず…育ててくれました
兄と私は血が繋がってないんです
兄は母親の連れ子
私は父親の連れ子だったんです
だから母は私が憎かったと思います
兄も私に負い目があって…」



「もういい」



と言って抱きしめてくれた



「これからは俺が守ってやるよ」



「郁弥先輩⁇」



身体を離し唇に優しくキスを
してくれた



「………///」




顔見られない…




保健室のドアが開いた




びっくりしてお互い違う方向を見た



ドキドキが止まらない





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