極道の彼は子持ちの私に溺愛する
「バカ、冗談でこんなこと言うわけねーだろ。九条とのことは落ち着いたとはいえ、まだ油断もできない状況だ。今日俺のマンションに律希とお前が来てたこともすぐに九条の長に伝わる」
「…そんなこと言われても」
私にも生活というものがある
仕事というものがある
律希にも友達というものがある
それが今日彼に見つかってしまったせいで今まで築き上げてきた全てが崩されてしまう
「…そんな急に決断なんて出来ないよ」
「いや、悪いが決断も何もいらねぇ。
これは決定事項であってお前の意見はきけない」
いきなりヤクザの顔に戻ってしまった
分かっている、
私がどれほど大変なことをしたか
桐生の血を引く子を産んだということはこういう運命であることを知っていた
「律希には俺が安心できる幼稚園に通わせる」
きっと律希は悲しむだろう
せっかくできた友達と離れることになるなんて
それにみき先生と離れることがいちばん渋りそうだ