キミに恋なんてありえない!?




「……顔なんてどうでもいいんですよ。
顔が良い悪いの問題じゃなくて、蒼は私のこといつも助けてくれるんです」


自分の声はいつもより遥かに低かった。
先輩は私の声で察したのか固まった。

……本心だもの。


「何かあったらすぐ駆けつけてくれるし、嫌なことがあったら話だって聞いてくれます。蒼はすごく優しい子です。自慢の弟です。これ以上蒼のこと悪く言うなら先輩でも許しませんよ。

……それに、先輩も女の子なら沢山いると思いますけど」


本当にそうだと思う。怖い思いをした時慰めてくれた。ストーカーに追いかけられた時は雨の中駆けつけてくれた。


……優しすぎるんだよ、蒼は。



「………俺、諦めないから」


先輩は意味不明な言葉を吐きその場を去っていった。



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