キミに恋なんてありえない!?
「あ、萌桃!もう始まるよー!」
皆のところに戻ると夏海が声をかけてきた。
蒼達もいる。
「ごめん!遅れて」
足怪我してるのなんてバレちゃダメ。
心配かけるな。
足をバレないよう控えめに引きずりながら平然を装った。
「トイレ混んでてさー」
混んでなんてないけどバレないためにも嘘をつくしかなかった。
痛い……。
一瞬顔が強ばりそうになったが笑顔を貼り付けた。
走るだけだから、大丈夫だよ、萌桃。
そう言い聞かせながら列に並んだ。