キミに恋なんてありえない!?
なんで今!?
少しグラッとバランスを崩したのがわかった。
前からは「萌桃!」と蒼の叫び声が聞こえる。
「っ…」
ズキズキ
だめだ、悪化し始めてる。
後ろからの足音が近づいてきたのがわかった。
でも、蒼まであと少しだった。
少しスピードを緩め走った。
「……っ、あ、蒼!」
蒼の手にパシッとバトンを渡した。
顔を歪めながら蒼を見ると、大丈夫だ。と優しい笑みを浮かべていた。
走り終え右足を踏み込むと同時に激しい痛みに襲われた。
ガクッと右足から崩れ落ち、膝が地面につく。
「萌桃ちゃん!?」
と観客席から声が聞こえた。