キミに恋なんてありえない!?





「おい」

「え?」


急に後ろから私の肩を抱き寄せられたと思ったら、上から低い声が聞こえた。

聞き覚えがあり上を向くと


「…蒼っ」



助けに来てくれた蒼は少し息が上がっていた。

もしかして走ってきてくれたの?


「誰だお前」



男の人が私の腕を掴んだまま蒼を睨む。


「萌桃の弟だよ。
姉さんに何か用?」



いつもより低い声を鳴らせた蒼が男の人を睨み返した。



「弟?なら関係ねえだろ」

「あるから来たんだろ。姉さんの手、離せよ」



姉さんって言われる度に心臓がドキッと音を鳴らす。

蹴っ飛ばそうとした足は必要ないかな……?


でも


手を離してくれない…



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