キミに恋なんてありえない!?
すると
「…へ?」
急に私を抱きしめてきた蒼。
「遅くなってごめんな。
怖かったよな」
と私の背中をさすってきた。
もしかして…私の手と声が少し震えてるのに気づいた、?
「俺の前では強がるな。
…そばにいるから」
耳元で囁かれた。
さっきまでの緊張と恐怖が和らいだのか、ぷつんと音がして私の目からは涙が溢れた。
…そうだよ。私は強がってただけ。
本当は強くなんてないし怖いものが沢山ある。
暗いところだって、大きな音だって、雷だって、私の周りには怖いものだらけだ。
弱みを見せたくなくて強がってた。
…でも、蒼は、この人は
それをわかってくれた…。
初めてだったんだ。私をここまでわかってくれた人は。
嬉しかった。
「うぅっ…」
蒼の腕の中で沢山泣いた。
「怖かった…怖かったの…」
蒼の腕の中は暖かくて…安心できる場所だった。