イケメン先生の甘すぎる溺愛
2.キミの独占欲
「ねぇ、杏奈って、中野 樹(なかの いつき)と付き合ってんの?」
昼休みにみんなで喋っていると、友達の1人が突然そう言った。
え、まって、どこからその発想が出てきた?
樹はメガネイケメンで、女子からの人気も凄まじいくらいだ。
そんな噂になってるなんて、樹に申し訳なさすぎる。
私とも話したりはするけれど、そんな噂になるような事なんて、無いはずだ。
そもそも、私は誠也ひとすじだしーー。
「なんかね、隣のクラスの子が2人で遊んでるの見たって言ってたよ!それに、杏奈ならお似合いだと思う」
そう言われても、言葉が出てこない。
2人で遊んだ記憶なんか無いしーー、って、あれか。
少し考えると、思い当たることがあった。まぁ、噂は完全なる誤解なんだけど......。
「たぶん、それ、羽月と他のクラスの男子もいた時のやつだと思う」
「あぁ、あの時のか!」
私の言葉に、隣にいた親友の上里 羽月(かみざと はづき)も思い当たった様だった。