イケメン先生の甘すぎる溺愛
びっくりしている私に、樹がコソッと教えてくれる。
あの黒いオーラを向けられたら、誰でも怯んでしまうだろう。
私も向けられたくはない。
実は真人の事は、知ってはいたけれど、実際に会うのは今日が初対面なので、敵じゃなくて良かったなんて、私は1人で安心していた。
「杏奈ちゃん?2人に置いてかれるよ?」
勝手に想像している間に、真人と羽月は先に歩き出していたらしい。
見失う前に、追いかけないと。
「ごめん、私達も行こう」
置いていかれないように、私と樹は並んで2人を追いかけて歩いた。
「杏奈ちゃん、今日はごめんね~。突然だったでしょ?」
少し前を歩いている2人を見ながら、樹が言った。
「まぁ、羽月の頼みだし......別にいいよ」
そこまで乗り気では無い、私の答えを聞いて、樹は苦笑いしている。
樹相手に、愛想良くするつもりもないし、普段からクラスの男子にはこんな感じで塩対応だ。