イケメン先生の甘すぎる溺愛
画面に表示されている名前は、“誠ちゃん”。どうしたんだろう?
「もしもし?」
『もう時間過ぎてるぞ?早く出てこい』
そう言われて、時計を見てみると11時10分。
なんてことだ。
もっと時間あると思っていたのに......。
「ご、ごめん、すぐ行くね!」
私はそう言って、電話を切った。
慌ててカバンを掴んで部屋を出る。
「いってきまーす」
リビングに居るであろう、お母さんに玄関から声をかけて外に出た。
すでに遅れているので、これ以上待たせる訳には行かない。
急いで靴を履き、ガチャッと音を立てて開けたドアの先には、今さっき電話していた相手が立っていた。
「えっ?なんで居るの?」
誠也の家は、歩いて1分もかからない。
すでに視界に入っているくらい近いのに......。
「早く行くぞ」
私の問いには答えずに、スタスタと歩き出した。
話す暇もないうちに、誠也の家に着く。
ほんと、なんで来たんだろう......。