イケメン先生の甘すぎる溺愛
お互いに無言のまま、誠也は鍵を開けて家に入った。
「入れよ」
「おじゃましまーす」
数年ぶりの誠也の家は、入る時に緊張してしまう。
玄関には可愛い置物が置いてあり、相変わらずお母さんのセンスは抜群だと思った。
静かな家に、私たちの音だけが響いている。
ーーん?
「あれ?お母さんは?」
「あぁ、今日出かけてる」
しれっとそう言った誠也は、さっさと靴を脱いでリビングに向かっている。
「先、部屋言ってて。場所わかるだろ?」
「う、うん」
場所は分かる。階段を上がって、1番左の部屋。
だけど、その前に言われた言葉が気になって仕方がなかった。
お母さんが居ないということは、今家には私たち2人だけという事になる。
そんな状況に、私が緊張しないはずがなかった。
ぎこちない動きのまま、誠也の部屋に向かう。
「お、おじゃまします......」
一応、小さく声をかけてから入った。
キィっと音を立てて開けたドアの向こう側は、モノトーンの物で揃っていた。