イケメン先生の甘すぎる溺愛
躊躇していては、いつまでも座れないと思い、私は勢いよく誠也の横に座った。
思ったよりも近いーー。
頭にまで響いている、私の心臓の鼓動。
聞こえてないよね......。
普通の態度になる様に意識はしているけれど、身体は正直で、緊張MAXで固まっている。
誠也は、今日なんで私を呼んだのだろう。
付き合ってから、誘われることなんて無かったのに。
「ーーん、杏?どれがいい?」
「ふぇ?」
いつの間にか、呼ばれていたらしい。
まさか、ふたりきりだとは思っていなかったから、緊張しすぎて、聞こえていなかった。
「だから、映画見るか、その辺の本読むか、ゲームするか」
あぁ、何をするかの話だったのか。
それにしても、その選択肢......。
家で遊べると言っても限られてくるけれど、ゲームは得意じゃないし、本は見るからに私には難易度が高いものばかりだ。
選べるものは決まっている。
「映画!」
「おう、映画な?」
誠也は楽しそうに笑った。