イケメン先生の甘すぎる溺愛
誠也から、呼び出されるなんて久しぶりだ。
きっと、やることは勉強だろうけれど、口実があることが嬉しい。
いつもは、私から押しかけてるだけだから。
その後の授業は、一応聞いていたけれど、全くわからなかったので、途中からは誠也を眺めることに時間を使った。
「はい、今日はここまで」
チャイムがなり、授業が終わった。
長かったような......、短かったような......。
終わった途端、ガタガタと席を立つ音が聞こえた。
「高口せんせー」
「ここ、教えて貰えますかぁ?」
なんだ、その甘ったるい声は。
数人のクラスメイトが誠也の周りに集まっている。
誠也は、かっこいいし教え方も上手い為、生徒から人気だった。
授業後は、大体いつも囲まれている。
一応教科書を持っているけれど、そんなの飾りにしか見えない。
それに、さりげなく誠也の身体を触っている。
ーー私だって、触りたいのに。
そんな、心の声は届くはずもなく、かといって、あの輪の中に入って行く勇気もないので、私は見ている事しか出来なかった。