イケメン先生の甘すぎる溺愛


そうかな......?

言ってみて、上手くいかなかったら、また相談しよう。


ずっと、モヤモヤしているのも、嫌だし、私らしくない。



「ーー言ってみる。羽月ありがとう」



嫌われるようなことをしてしまった覚えもないので、まずはそれを聞こう。


じゃないと、直したくても直せない。


幸い、今日は放課後呼び出されているので、話すタイミングはある。

あとは、どうやって切り出すかだ。


私は、残りの授業中に、なんて話を切り出そうか、なにを言おうかを、頭の中でグルグルと考えていた。



***



「杏奈、頑張れ!」



羽月の応援を背に、私は、英語準備室を目指して教室を飛び出した。


近づくにつれて、段々と人が少なくなっていき、緊張が高まる。

ついに、来てしまったーー。


私は、ドアの前で立ち止まり、深呼吸をしてからそっとドアを開けた。



「遅かったな、杏」



静かな室内に、私の好きな声が響く。


いつもよりも、素っ気なく感じるのは気のせいだろうかーー。

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