イケメン先生の甘すぎる溺愛
誠也もそう言ってくれたら、どれだけ私の気持ちが楽になっただろう。
生徒に対して、邪険に出来ないのは分かっているから、寄るなとは言わない。
ただ、適度な距離感を持って欲しいだけ。
「ねぇ、杏奈ちゃん。俺だったら、杏奈ちゃんを泣かせること絶対にしないよ?その人と別れて、俺と付き合わない?」
言葉が出ないとは、まさにこの事だろう。
びっくりしすぎて、反応が出来なかった。
まさか、告白されるとは思っていなかったーー。
「えっとーー、あの......」
いつの間にか、涙も止まっている。
どうしようと戸惑っているところに、バタバタと走る足音が近づいた。
「......っ、はぁ、やっと見つけた」
息を切らしながら現れた彼は、走って探してくれたことを表していた。
「中野、こいつは俺のだから諦めろ。ーー杏、ちょっとこっち来い」
誠也は、なぜか樹を睨みながら言った。
俺のだからと言うセリフに、思わずキュンとする。
これは不可抗力だーー。