イケメン先生の甘すぎる溺愛
「私は、誠ちゃんに会いに来てるの!」
「あ~はいはい」
誠也は、また始まったとでも言うように、軽くあしらって机に向かった。
明日の授業の準備をしているらしい。
「ねぇ、誠ちゃん......どうしてダメなの?私はこんなに好きなのに......」
私の呟きに、誠也は反応すること無く、カタカタとパソコンに打ち込む音だけが、部屋に響いている。
今まで、数えきれないほどの告白をしてきたけれど、いつも玉砕していた。
返事してくれるわけないかーー、諦めて別の話を振ろうとした時、打ち込む音が止まった。
ひと段落着いたのかと、顔を上げると誠也がこちらを見ていた。
そして、ゆっくり瞬きをした後、口を開いた。
「杏ーー、付き合うか?」
その言葉を聞いた時、なんて言われたのか分からなかった。
幻聴?空耳?夢でも見ているのかと思い、自分の頬っぺをつねってみるけれど、しっかり痛みは感じる。
「おーい、杏?」
動かない私を心配してか、誠也が目の前で手を振っていた。