イケメン先生の甘すぎる溺愛
「聞こえてーー」
そう言いかけた誠也の手を、掴む。
「ほんと?」
「あぁ」
「嘘じゃない?騙してない?エイプリールフール?」
「嘘じゃないし、騙してない、エイプリールフールは1ヶ月以上先だ」
「ゆめーー」
「夢でも無い、現実に戻ってこい。で、どうする?付き合うか、付き合わないか」
そこまで言われて、やっと信じることができた。
返事はもちろん決まっている。
「付き合う!」
即答だった。
付き合わないという選択肢が、私の中にあるわけが無い。
こうして、私の気持ちがやっと届いたのだった。
だけど、付き合ったからと言って、私達は教師と生徒。
周りにバレる訳には行かないので、デートすら行ったことがない。
幼なじみで家も近いけれど、誠也が大学生になった辺りから、時間がズレていたせいか、近所で会うことはなくなった。
付き合って約2ヶ月ーー、私達が2人で会える場所は、この英語準備室しかないのだ。