ガラスの靴はいらない
夢見る女の子とは
私だって小さい頃はお姫様に憧れてたし
いつかきっと白馬に乗った王子様が迎えに来てくれて
シンデレラみたいに素敵なドレスを着るんだなんて思っていた。
でも、その夢はいつの間にか自然と消えていて
可愛い夢を見れない年齢になってしまった。
白石 雪姫 27歳
美容専門学校を卒業後、フォトスタジオでスタイリストとして働いている
「おはようございまーす」
『姫おはよ〜』
『姫さん、おはようございます!』
私は、職場で柄にもなく〈姫〉と呼ばれている
最初はやめて欲しいとお願いしていたけどもう諦めた。
「ひーめ!おっはよー」
「志織おはよう。
今日も元気いっぱいだねぇ」
同期入社で同い年、プライベートでも仲が良い。
中村 志織(Nakamura Shiori)
「今日も姫は可愛いねぇ。何そのワンピース!可愛すぎるんだけど!
髪も明るくした??可愛い!ヤバイ!」
毎朝どこかしらを褒めてくれる志織は、
サバサバしていて、同い年だけどお姉さんみたいな頼れる存在。