ガラスの靴はいらない
「いつもお褒めいただき、光栄です(笑)
それより、今日みんな早くない?」
いつもは私が出勤してもまだ1人2人くらいしかいないのに
今日は一番最後だったみたい・・・
私が働いているフォトスタジオ『sourire(スリール)』は
1階はレセプションとスタジオ、2階は衣装が置いてあったりヘアメイクや着替えをする部屋がある
3階がスタッフルームで、今は3階のスタッフルームにいる。
「姫、忘れたの?!
今日はあの、西島様が来る日だよ!!!」
「今日だったっけ?忘れてた。」
「ほんと姫はイケメンに興味ないよねぇ。」
志織が言う、『西島様』とは
西島 樹(Nishijima Itsuki )33歳
志織いわく
国宝級イケメン御曹司で、見た目・性格・頭脳全てにおいて100%らしい。
御曹司と言われる理由は、
このフォトスタジオsourireの大本『N.(エヌドット)Corporation』の社長の一人息子だから。
次期社長と噂はされているけど、本人はそのつもりはないらしい。
ただ、このsourireを27歳の時に立ち上げて大成功。
大人気で、予約が取りにくいフォトスタジオで有名。
出張スタイリストやカメラマンも受けるので有名雑誌の撮影など芸能関係の仕事もある。
「興味ないと言うか、見慣れたというか・・・」
「え?なんて?」
「なんでもないよ。
そろそろ来る時間なんじゃないの?」
そうです。見慣れてるんです。
でもこの事はみんなには内緒。
「あ!!来たわ!」
志織の嬉しそうな声で振り向くと