ガラスの靴はいらない



カチャン

ドアの閉まる音とともに、

『はぁ〜。』

西島さん・・・もとい、樹のため息が聞こえた


「幸せ逃げるよ?」

『そりゃため息もつきたくなるでしょ。
雪姫は疲れない?隠してて。』



私がみんなに隠している事、それは

ここにいる西島様こと、西島樹とは私が生まれた時からの知り合い
つまり幼馴染で
私は、有名アパレル会社の社長一人娘で、令嬢だという事
しかもそのアパレル会社の衣装をうちの店で使っている。

両親が私を溺愛していて、外に出したら悪い虫がついてしまうと
娘がいる事は公開しているけど会社関係のパーティーなど娘として表に出た事はない。
ただ、参加はしている。招待客として。


社長令嬢なのに、専門学校へ行ったり自由させてもらっているのは
将来、私の父の会社と樹のお父さんの会社が一つになって樹が社長として後を継ぐ事になっているから。

さっきも言ったけど、本人は乗り気ではない。(笑)



「まぁ、生まれた時から隠されてたからね。」

『隠されてたって(笑)
おじさんが隠したくなるのも分かるよ。
雪姫に悪い虫がついたら大変。

うちのスタジオに就職させたのもおじさんの願いだったしな。
樹の近くにいたら安心だって言ってたよ。』

「もう大人なんだから、悪い虫ついたって自分ではらえるもん!」
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