翼のない鳥
完璧超人、律
綿矢 流星side
「私も協力する!」
高らかと手をあげた美鶴。
弟―――律との取引の翌日。
俺たちは美鶴にゲームの内容を伝えた。
律は本当に昨晩何も言わなかったようで、朝会ったときは本当にひどい顔色をしていた。
けど、話を進めるにつれ徐々に持前の明るさを取り戻していき・・・
「美鶴にそう言ってもらえると助かるよ。何せ、俺たちは律のことをほとんど何も知らないからね。」
司が安心したように一息ついた。
「ってかさ、美鶴、アイツと一緒に暮らしてんだろー?弱みの一つや二つ、知ってんじゃねーの?」
口に出しながら、気付いた。
あれ、これってひょっとして勝ちゲーじゃね?
だって、美鶴と律は双子。
生まれてからずっと一緒にいる相手。
弱みくらい、いくらでも知ってるだろ。
そう思って言ったんだけど。
美鶴はうーんと考え込み始めてしまった。
そんな彼女の様子に俺らは顔を見合わせる。