愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~
「菜緒に誰かいい奴がいたら奪うつもりだったし、もっと強引な手を使ってでも俺の方を向かせるつもりだった」
その指輪は私には大きくて、宝石が回るくらいブカブカだった。
「でも、ゆっくりでいいから。この腕の中にいてくれるなら、もう焦らないから」
サイズを気にする素振りなど微塵も見せず、涼介さんは再び私の体を強く抱きすくめる。
「菜緒の気持ちが俺に向いてくれるまで待つから。だからいつか、心も体も俺のものになって」
懇願するようなきゅうきゅうとした声は、私の胸を締めつけた。
それはうしろから拘束されているからではなくて、心の奥を掴まれたようにキュンと響くのだ。
満たされているのに、歯がゆい。こんな気持ちになるのは初めて。
「私ね、仕事で河本さんに会っても、頭の中は涼介さんのことばかりで……」
私は自分の胸の内も余すところなく打ち明けたくなった。
勝手に疑心暗鬼になったり、裏切られたくなくて苦しくなるのは、涼介さんを本気で好きだから。
「藤井さんを気にして助けに来てくれたときもホッとしたし、今日涼介さんの気持ちを聞いてすごくうれしくて」
途切れ途切れにそこまで言うと、涼介さんは私の体を離し、くるりと反転させる。
そして熱の籠もった眼差しを私に向けた。
「それって俺、自惚れてもいいの?」
真剣な視線が交わって、身じろぎできない。
どんどん心拍数が上がって戸惑うけれど、私は涼介さんから目をそらさずに口を開いた。
「私、涼介さんが好き」
涼介さんの引きしまった顔が緩んだ。
眉根に皺を寄せて微笑むと、腕を広げて私を迎えた。
「実感させて。やっと、手に入ったって」
今度は正面から抱き寄せる。
「もう、一生離さない」
鳥肌が立った。
思いが通じ合うことがこんなに幸せなのだと実感する。
その指輪は私には大きくて、宝石が回るくらいブカブカだった。
「でも、ゆっくりでいいから。この腕の中にいてくれるなら、もう焦らないから」
サイズを気にする素振りなど微塵も見せず、涼介さんは再び私の体を強く抱きすくめる。
「菜緒の気持ちが俺に向いてくれるまで待つから。だからいつか、心も体も俺のものになって」
懇願するようなきゅうきゅうとした声は、私の胸を締めつけた。
それはうしろから拘束されているからではなくて、心の奥を掴まれたようにキュンと響くのだ。
満たされているのに、歯がゆい。こんな気持ちになるのは初めて。
「私ね、仕事で河本さんに会っても、頭の中は涼介さんのことばかりで……」
私は自分の胸の内も余すところなく打ち明けたくなった。
勝手に疑心暗鬼になったり、裏切られたくなくて苦しくなるのは、涼介さんを本気で好きだから。
「藤井さんを気にして助けに来てくれたときもホッとしたし、今日涼介さんの気持ちを聞いてすごくうれしくて」
途切れ途切れにそこまで言うと、涼介さんは私の体を離し、くるりと反転させる。
そして熱の籠もった眼差しを私に向けた。
「それって俺、自惚れてもいいの?」
真剣な視線が交わって、身じろぎできない。
どんどん心拍数が上がって戸惑うけれど、私は涼介さんから目をそらさずに口を開いた。
「私、涼介さんが好き」
涼介さんの引きしまった顔が緩んだ。
眉根に皺を寄せて微笑むと、腕を広げて私を迎えた。
「実感させて。やっと、手に入ったって」
今度は正面から抱き寄せる。
「もう、一生離さない」
鳥肌が立った。
思いが通じ合うことがこんなに幸せなのだと実感する。