愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~
◯
「――オープン記念パーティー?」
ネクタイの結び目を指先で緩めた涼介さんは、ニッと頬を緩めて頷いた。
仕事から帰宅した涼介さんに誘われたのは、お見合いの際に話していた駅前にオープンする高層ビルのオープン記念パーティー。
月島不動産がデベロッパーの一社として建設に携った、駅前再開発事業の目玉となるビルだ。
「菜緒、オープンしたら行ってみたいって行ってただろ? 一緒にどうかと思って」
「たしかに言ったけど……」
行ってみたいと話したのを覚えてくれているのはうれしいけれど、パーティーなんて出席したことがない。
「私が一緒に行ってもいいの? 仕事関係の人が集まるパーティーなんじゃない?」
不安に思って尋ねると、涼介さんは心得顔で笑った。
「そうだけど、せっかくの機会だからみんなに菜緒を紹介したいし」
「紹介だなんて、なんだか緊張する」
「菜緒はそのままで大丈夫だよ。俺の横にいてくれるだけでいいから」
ね? と言い含めるように付け足した涼介さんに、首を横に振るなんてできなかった。
結婚相手として紹介してくれると言うのは、緊張もするけど心からうれしかったからだ。
その週末、私は涼介さんの同伴者としてパーティーに出席した。
地上四十階建ての駅前ビルは、商業店舗とオフィスの融合施設になっている。
屋上は緑が溢れる公園のような開放的な空間になっていて、夜は夜景がとても綺麗に見えるスポットだ。
商業店舗もファッションのほかにスイーツ、レストランなどの飲食のショップ、映画やプラネタリウムもあるとかで人気の施設になるのは必至だった。
「――オープン記念パーティー?」
ネクタイの結び目を指先で緩めた涼介さんは、ニッと頬を緩めて頷いた。
仕事から帰宅した涼介さんに誘われたのは、お見合いの際に話していた駅前にオープンする高層ビルのオープン記念パーティー。
月島不動産がデベロッパーの一社として建設に携った、駅前再開発事業の目玉となるビルだ。
「菜緒、オープンしたら行ってみたいって行ってただろ? 一緒にどうかと思って」
「たしかに言ったけど……」
行ってみたいと話したのを覚えてくれているのはうれしいけれど、パーティーなんて出席したことがない。
「私が一緒に行ってもいいの? 仕事関係の人が集まるパーティーなんじゃない?」
不安に思って尋ねると、涼介さんは心得顔で笑った。
「そうだけど、せっかくの機会だからみんなに菜緒を紹介したいし」
「紹介だなんて、なんだか緊張する」
「菜緒はそのままで大丈夫だよ。俺の横にいてくれるだけでいいから」
ね? と言い含めるように付け足した涼介さんに、首を横に振るなんてできなかった。
結婚相手として紹介してくれると言うのは、緊張もするけど心からうれしかったからだ。
その週末、私は涼介さんの同伴者としてパーティーに出席した。
地上四十階建ての駅前ビルは、商業店舗とオフィスの融合施設になっている。
屋上は緑が溢れる公園のような開放的な空間になっていて、夜は夜景がとても綺麗に見えるスポットだ。
商業店舗もファッションのほかにスイーツ、レストランなどの飲食のショップ、映画やプラネタリウムもあるとかで人気の施設になるのは必至だった。