愛執身ごもり婚~独占欲強めな御曹司にお見合い婚で奪われました~
5 夢の続き
◯
前日から、私はずっと緊張していた。
婦人科に行くだけでも緊張するのに、今日はもしかしたら赤ちゃんを確認できるかもしれない。
私と涼介さんの初めての赤ちゃん。
「菜緒、準備できた?」
「うん!」
寝室で着替えていた私は涼介さんに声をかけられ、リビングに向かった。
今日は平日なのだけれど、涼介さんは仕事の予定を調整して休みを取ってくれた。
何度も深呼吸をしてマンションを出て、涼介さんが運転する車でクリニックに到着した。
涼介さんの前の秘書が出産されたクリニックを紹介して頂いた。女医さんだというので、初めての私には安心感がある。
初診なのでクリニックで問診票に記入し、呼ばれるまで尿を取り、血圧を測った。
やがて診察券の番号が待合室にある画面に表示され、処置室に入る。
そこで看護師さんと既往歴などの話をし、体重を計り、いよいよ診察室に移動した。
「失礼します」
内診台に座り、先生に名前を確認され、ドキドキしながら内診が始まった。
「見えますか? 月島さん。赤ちゃん、動いてますね」
右横にある画面に、超音波の映像が映し出されている。
そこでは小さな丸い、まだ人間の形にはなっていない赤ちゃんが、子宮の中を泳ぐようにぴょんと元気よく移動した。
「み、見えます……」
その瞬間、かわいい! と思った。
本当にお腹の中にいるんだ……。
実感が湧かなかったけれど、感動で胸がいっぱいになる。
「お写真差し上げますね」
「ありがとうございます」
内診台から降り、看護師さんから超音波写真を受け取ると、隣の部屋に移動した。
涼介さんも中へ通されて、一緒に先生の話を聞けることになった。
「おめでとうございます、月島さん。妊娠六週に入ったところですよ」
穏やかな口ぶりで、先生がにこやかに言った。
「ありがとうございます」
私と涼介さんの声が重なる。
前日から、私はずっと緊張していた。
婦人科に行くだけでも緊張するのに、今日はもしかしたら赤ちゃんを確認できるかもしれない。
私と涼介さんの初めての赤ちゃん。
「菜緒、準備できた?」
「うん!」
寝室で着替えていた私は涼介さんに声をかけられ、リビングに向かった。
今日は平日なのだけれど、涼介さんは仕事の予定を調整して休みを取ってくれた。
何度も深呼吸をしてマンションを出て、涼介さんが運転する車でクリニックに到着した。
涼介さんの前の秘書が出産されたクリニックを紹介して頂いた。女医さんだというので、初めての私には安心感がある。
初診なのでクリニックで問診票に記入し、呼ばれるまで尿を取り、血圧を測った。
やがて診察券の番号が待合室にある画面に表示され、処置室に入る。
そこで看護師さんと既往歴などの話をし、体重を計り、いよいよ診察室に移動した。
「失礼します」
内診台に座り、先生に名前を確認され、ドキドキしながら内診が始まった。
「見えますか? 月島さん。赤ちゃん、動いてますね」
右横にある画面に、超音波の映像が映し出されている。
そこでは小さな丸い、まだ人間の形にはなっていない赤ちゃんが、子宮の中を泳ぐようにぴょんと元気よく移動した。
「み、見えます……」
その瞬間、かわいい! と思った。
本当にお腹の中にいるんだ……。
実感が湧かなかったけれど、感動で胸がいっぱいになる。
「お写真差し上げますね」
「ありがとうございます」
内診台から降り、看護師さんから超音波写真を受け取ると、隣の部屋に移動した。
涼介さんも中へ通されて、一緒に先生の話を聞けることになった。
「おめでとうございます、月島さん。妊娠六週に入ったところですよ」
穏やかな口ぶりで、先生がにこやかに言った。
「ありがとうございます」
私と涼介さんの声が重なる。