孤独なお姫様
類と2人きりになった幹部室内。

ん?これって類の過去を聞くいいチャンスじゃない?
けど無理やり聞くのもな...
そう思っていると突然類が言葉を発した。

類「...何も聞かないのか」
『聞かないよ。類から話してくれるの待ってるから』
類「…美咲になら話せるかも。聞いてくれる?」
うんと頷いた。

ー類sideー
俺がまだ中学生の時、父さんは不倫して不倫相手と駆け落ちした。
あれから母さんは家にあまり帰ってこなくなった。

学年が1個上にあがったとき、俺に彼女ができた。
希美っていう子で名前通り、希望に満ちた美しい子だった。
俺の家のことを話したあとも、変わらずずっとやさしかった。
ちょうど1年を迎えた頃、その日俺は学校に忘れ物を取りに行った。

教室に入ろうとしたとき、中から数人の声がした。
よく見ると希美も居た。

女「あ、そーいえば最近類くんとはどうなの??」
友達の1人が希美に聞く。

希「類?そりゃもう順調だよ〜」
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