孤独なお姫様

『…ここ』
そう言ってバイクから降りる。

蓮「…あ?」
そりゃ驚くよね。高校生が一軒家で一人暮らしだもん。
『ずっと黙っててごめん。一人暮らしなの』
外にいてもなんだから、とりあえず家に入れる。


蓮「…いつから」
ソファーに座ると蓮が唐突に聞いてきた。
『いつからだろ…んーわかんないね!』
わざと明るく振る舞う。
いつから、そんなの分からない。気がついたらここに居た。

蓮「なんでずっと言わなかった」
『…ごめん、いうタイミングなくってさ。あ、なんか飲む?』
飲み物を取ろうとソファーから立ち上がると
蓮「なんで頼らねえんだよッ!」
…初めて蓮が怒鳴った。

蓮「俺たちがそんっなに頼りないか?…みんなわかってんだよ、おまえが何か背負ってることぐらい。けど言うまで待とうって…俺たちはずっと待ってんだ」

知らなかった。みんながそう思っていたなんて。言ったら迷惑かなって遠ざけたのは紛れもなく自分だった。
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