孤独なお姫様
『…どういうことですか?』
俺がそう聞くと医師はこう答えた。
撃ちどころがあまり良くなく、あと1ミリズレてたら死んでいたかもしれない。
だから命は助かった_が、いつ意識が戻るかはわからない。もしかしたら覚めないかもし、明日覚めるかもしれない。
そういう境遇にいるといわれた。
…簡単にいえば植物状態。

奏「あした目が覚める確率は…?」
医「それも正直わかりません。ですが、これだけはハッキリといえます。手術は危険で、普通助からなくてもおかしくない状況だったんです。けど美咲さんの場合は助かった。彼女の生命力は凄いですよ」
美咲…。少しだけ光が見えた気がした。
あのあと美咲の病室に向かった。
入ると、眠っているように横になっている美咲の姿があった。

旭「なあ、少し話せないか」
唐突にそう言ってきた。
他のメンバーに美咲のことを頼み、俺たちはエントランスへと向かった。


旭「俺さ、美咲のことが好きなんだ」
そのことには薄々気付いていた。
会食パーティーのとき、敵意が丸見えだったからな。
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