こころの詩

「どう、調子は?」

「あぁ、ぼちぼち・・・」

「アタシに何か出来ることない?」

「俺な、自分が余命幾ばくもないと悟った時、初恋の人に
 一目逢いたいとか、幼い頃に見た田舎の風景を描いて
 みたいとか、ラジコン戦車で思いっきり遊びたいとか
 結局、何も出来なかったな・・・」

「子供みたいな事ばっかり、何にも出来なくてごめんね」

「いいよ、お前がそばに居てくれるだけで、安心するんだ、
 俺こそ、お前に何にもしてあげられなかった、ごめんな」

「そんな事無いって、アタシを大切に想ってくれただけで」

「一つだけ、お前と一緒になれて俺は本当に幸せだった、
 俺の分も、いっぱい丈夫で長生きしてくれよな!」

「そ、そんな、アタシもあなたと一緒で幸せだったわ・涙」

「バカ、過去形使うのは俺だぞ、お前は未だ未だこれから、
 いっぱい、いっぱい幸せな人生を楽しむんだぞ・・・」

涙・涙・涙・・・・・・・



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