秘密レター
ファーストレター

「じゃ、この言葉の意味を....及川」

えっ!

「はっ、はい!」

今!名前、呼ばれた?よね
当てられた?!



梅雨なのにジメジメ感はなく、カラッとしていて よく晴れた天気は 風通しが良い窓
の席で しかも お昼を食べた後の 5限目の
業中である 私を 眠たくさせるには十分だった


しまった!ウトウトしてて 先生の話をちゃんと 聞いてなかった!

どの言葉の意味?
うわ~ どーする?
どーしよ
もしかして...これ?

カサッ

焦って教科書のページをめくっていたら
教科書の上に紙が置かれた

? ノートの切れ端?

*答えは、ぼんやりしてる*

って書いてあるけど. . .?

あっ!もしかして

「及川」

もう一度先生に呼ばれた


「はい! えっと ぼんやりしてる 」

「正解」

良かったー
やっぱりあの紙に書いてあったのは私が当てられた問題の答えだったのか

でも 誰が

私の席は窓側の一番後ろで端なので右隣しか 横はいない となると必然と右隣の人になるんだけど

そう思ってチラッと右隣を見ると

ニコッ

と、人懐っこい笑顔で笑いかけられた

やっぱり日出君だったのか


あっ 、そうだ!


ノートの下の方を破って



*教えてくれて ありがとう*



と書いて日出君に渡すと

すぐに返事が帰ってきた



*どういたしまして また分からなかったらいつでも教えるから! 頼って!*


クスッ
ほとんど話したことないのに
頼って!って書いてくれる 優しさに思わず笑みがこぼれる

ふと横を見ると
ぐっ!
と 親指をたてて此方を見ていて

ヤル気満々な顔にまた笑いがこぼれた


*じぁ 分かんなかったら頼るね*


と書いて 渡したら


*おー よろしく*



と返ってきた


そんな風にやり取りを続けていたら 眠気なんてこなくなり あっという間に授業が終わった



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