儚いオフィス・ラブ
「初めて会った面接日」


ある日、事務の欠員求人広告で面接にやって来た女性

チョッと太ってるなあ~って内心思ったけど、ニコニコ

愛嬌が良く、好印象である。

事務経験もまあまあ熟せそうだし、和気あいあいと歓談

何と同じ高校の後輩だったとは。

即、採用!!

まあ俺も未だ若僧だけど経理責任者で、経理に明るい女性

を求めていたし、感じの良い5歳年下の後輩が来てくれる

楽しみが増えたもんだと喜んでいたのだ。

昔から言うだろ「男は度胸  女は愛嬌」ってか、まあ

時代遅れの化石言語だけんどなあ~。

俺が直属の上司になるっつうから、責任重大だよな。

と言っても事務室には俺と彼女と二人っきりだべ。

でも、アイツはまあその後輩で独身なんだけどなあ、別に

普通なら緊張というか、女性として意識しちゃう~なんて

ことになるんだけど、そういうのが無えんだよな。

まっ色気もクソも無えっつうか、そんなもんが似合わねえ、

そこがまたアイツの良いところだぜえ。

お互い気楽に同じ高校の先輩と後輩というのもあるし、普通に

仲良くやっていくべかあ~。

どれどれ、結婚退社して行った人の机の引出し、紙屑ゴミとか

未だ残ってるし、よく掃除して行かなかったんだなあ、クソ、

俺が整理してやらねばなんねかのう~?ブツブツブツ・・・・

ふ~ん、後輩さんの履歴書かあ、ほんまにポッチャリし過ぎだべ、

ニコニコしてんのが一番だけんどな!

”ケイコさん”って言うんだな。クククク・・・

”ケイコさん”って言うより”ケイコタン”って言う方がまるで

似合うんでねえの~、クククク。

おっと、今頃、クシャミしてんだろなあ~、ブハハハハ

彼氏とか居そうにも無えなあ~、プックククク・・・

まあそういう俺もダサいし、若いくせに老けて見えるし、今っぽく

見えねえ若年寄りみてえな野郎だから、人の事言えねえわな、

トホホホホ・・・


ほんまに明日が楽しみじゃい~~~。
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