俺も好き。ごめん。
「俺も好き。ごめん」
結局、過ちを犯してしまった。
いつかきっと君を悲しませる。
突き放さなきゃいけなかったのに、最低だ。
君のことを腕の中まで引き寄せた。
泣きそうになってる顔なんて、見られたくない。
「え、え、和哉くん!?」
ずっと俺のものにしたかった。
なによりも好きだと思う。
愛おしいと思う。
たくさん喜ばせてあげたいと思う。
悲しませたくないとも思う。
ああ、でもダメだ。
一度好きだと言ってしまえば、堰き止めたはずの思いは流れ出してしまう。
ずっと隣に。
最期まで隣にいて欲しいなんてわがまま。
どうか神様、彼女を悲しませる未来があることをお許しください。
そう思いながら、君にそっと唇を重ねた。