2人で誓いの言葉を
そしていよいよ秘書として働く日を迎えた




私は役員専属のエレベーターに乗る
代表の部屋は社長室の隣




代表の部屋の前
秘書なんてした事ない自分が、出来るだろうか
緊張する自分を抑えてノックをする




「どうぞ」



そのドアを開けた



そして中に入り



「沖田 静流といいます
今日付で秘書の任命を受けました
よろしくお願いします」



と…姿勢を正して頭を下げた



代表は窓の外を見ていたので
顔がわからない
椅子の背もたれが頭まであるから
雰囲気もわからない



「桜が散り始めてますね」



はあ⁇急に何⁇
ってか声が若い
若い代表なの⁇そう思いつつ



「はい…そうですね」



と言葉を返した



「この時期いつも思い出すんです
ある人を…忘れられないんです」



何⁇代表も何かあるの⁇
私と同じ時期に…




「君は思い出しませんか⁇
沖田静流さん」



えっ!何をこの人…私の何を知ってるの⁇



その人はゆっくり椅子から立ち上がり
こちらを向いた



そしてゆっくり近づいてきた



高級な黒のスーツを身にまとい
髪はオールバック
目は切れ長で鼻筋が通り薄い唇
その人は静かに私の方へ近づいてくる



私はこの人を知っている
まさか…嘘よね⁇


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