2人で誓いの言葉を
そして迎えた静流と逢える日
俺は年甲斐もなくドキドキしていた




俺を見て静流はどう思うだろうか




自分を捨てた男と思っているだろう
恨み言の一つも言うだろうか…



ノックが聞こえた
心臓の音がうるさい



静流の声だ
あの時と同じ声
愛しい人の声だ
今すぐにでも抱きしめたい
その感情を抑え



俺は思い出してもらう為
外に見える桜を見ながら


「桜が散り始めてますね」



と言った



静流は



「はい…そうですね」



と答えた



思い出してくれた⁇



「この時期になると思い出すんです
ある人を…忘れられないんです」



「……………」



憎んでいるだろう



「君は思い出しませんか⁇
沖田静流さん」




と言って立ち上がり静流の側に
ゆっくりと向かった






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