凡才少年日記
入学編
入学初日の朝。
ぼんやりと霧のように霞んでいる自分の気持ちとは裏腹に、空は雲一つない、完璧なほどまでの晴れだった。
見上げた顔を下ろし、学校へと歩みを進める。
『魔術師高度育成中央高等学校 入学式』
歩いた先にあった巨大な敷地への入口。
つまるところ『校門』と言われる所には、その文字列が大々的に書き連ねられた立て看板が、さも当然かのように置いてあった。
視界に入って、改めて実感する。
今日から、自分はここを学び舎とするのだと。
ここで、新しい生活を過ごすのだと。
校門をくぐり、辺り一面の在学生の中に混ざる事で、今までのぼやけた気持ちが一瞬にして遥か彼方へと、飛んで行った。
入学式。
並べられたパイプ椅子に座って、やはり呆ける。
学校長の話。来賓の祝辞。興味のない人の話はやたらと長く感じた。
そして、新入生代表、つまり今年の入学試験で首席を勝ち取った者が話をする時間になった。
「初めまして、新入生代表のルーク・ライトです」
たった一言。だが、それでも十分すぎるぐらいに、嫌というほど自分と彼の差を感じた。
魔力の許容量が、断然違うのだ。定番の慣用句を用いるとするならば、月とスッポン、あるいは雲泥の差、だろうか。
魔法に関して優秀でない、俗に言う『凡人』である自分にも格の違いが分かるのだ、他の人に分からないわけがないだろう。案の定、ほんの一瞬ではあったが、ざわめきだった。
「以上をもちまして、新入生代表のお祝いの言葉としたいと思います」
拍手。
何ともまあ、あんな化け物じみた人が世の中には居るものだ、と感心していると、また別の人が登壇した。
自己紹介からして、今立っている人は生徒会長らしい。確かにそれらしい雰囲気が漂っていた。魔力に関しては、至って普通のように見えた。
その後も入学式は進行し、難なく終える事となった。
ぼんやりと霧のように霞んでいる自分の気持ちとは裏腹に、空は雲一つない、完璧なほどまでの晴れだった。
見上げた顔を下ろし、学校へと歩みを進める。
『魔術師高度育成中央高等学校 入学式』
歩いた先にあった巨大な敷地への入口。
つまるところ『校門』と言われる所には、その文字列が大々的に書き連ねられた立て看板が、さも当然かのように置いてあった。
視界に入って、改めて実感する。
今日から、自分はここを学び舎とするのだと。
ここで、新しい生活を過ごすのだと。
校門をくぐり、辺り一面の在学生の中に混ざる事で、今までのぼやけた気持ちが一瞬にして遥か彼方へと、飛んで行った。
入学式。
並べられたパイプ椅子に座って、やはり呆ける。
学校長の話。来賓の祝辞。興味のない人の話はやたらと長く感じた。
そして、新入生代表、つまり今年の入学試験で首席を勝ち取った者が話をする時間になった。
「初めまして、新入生代表のルーク・ライトです」
たった一言。だが、それでも十分すぎるぐらいに、嫌というほど自分と彼の差を感じた。
魔力の許容量が、断然違うのだ。定番の慣用句を用いるとするならば、月とスッポン、あるいは雲泥の差、だろうか。
魔法に関して優秀でない、俗に言う『凡人』である自分にも格の違いが分かるのだ、他の人に分からないわけがないだろう。案の定、ほんの一瞬ではあったが、ざわめきだった。
「以上をもちまして、新入生代表のお祝いの言葉としたいと思います」
拍手。
何ともまあ、あんな化け物じみた人が世の中には居るものだ、と感心していると、また別の人が登壇した。
自己紹介からして、今立っている人は生徒会長らしい。確かにそれらしい雰囲気が漂っていた。魔力に関しては、至って普通のように見えた。
その後も入学式は進行し、難なく終える事となった。