私の一部を受け取ってください
いつものように瑞穂は笑う。でも、その笑顔を見るのは咲にとってもう限界だった。ふわりと咲は瑞穂を抱き締める。

「咲ちゃん?」

「……無理して笑わないで……。本当は、瑞穂ちゃんが苦しい思いを抱えてるの、知ってる。泣きたい時は思いっきり泣いて……。辛い気持ちを抱え込んでほしくない……」

瑞穂に咲がしてあげられるのは、ただ瑞穂の感情を受け止めることだけだ。その気持ちを瑞穂がずっと隠して抱えていることを咲は何となく気付いていた。

震える声で咲は瑞穂に言う。瑞穂の目から涙がこぼれていった。最初は静かだったその雨はどんどん嵐のように激しくなっていく。

「何で?何で?手術頑張ったのに!!どうして私だけこんな思いをしなきゃいけないの!?私だってみんなと一緒に学校行事に参加して遊びたいのに!!勉強だって頑張りたいのに!!」

初めて聞いた瑞穂の本音に咲も泣いてしまう。こんなに辛い思いを抱え、ずっと瑞穂は笑ってきたのだ。
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