熄えないで








「失礼します…」



呼吸を整え、ガラガラ…と音を立てて保健室のドアを開ける。


保健室は、普段は保健の先生が在中しているけれど、文化祭はけが人が出るリスクが少ないため、用がある人は職員室に行って指示を受けることになっている。

つまり、文化祭開催中は、保健室に先生はいないのである。



静寂に包まれている室内。

そーっと足を踏み入れ、ひとつだけカーテンが閉じられているベットへと向かった。


音を最小限に抑え、静かにカーテンをめくって顔をのぞかせる。


予想通り、そこには成川くんがいた。
目を閉じてすやすやと眠っている。


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