熄えないで
「…成川くん、話があるの」
小さく彼の名前を呼ぶ。
「うん、」と、短い返事が返ってきた。
さっきまではあまり感じていなかったはずの緊張と恐怖が押し寄せる。
成川くん。
生徒会長で、成績優秀、容姿端麗、運動神経抜群。
───それから、一途でまっすぐな優しい人。
私には勿体なさすぎる彼と、私は今からさよならをする。
「成川くんは…ずっと私のこと、大事にしてくれてたよね」
「…うん」
「好きだって、ちゃんと行動で示してくれたし、本気でいてくれた」
最初からずっと、きみは私だけを見てくれていた。
まっすぐな好意を、わかるように届けてくれた。
それなのに、私は。