熄えないで


―――
――





「二千花先輩、明日か明後日、どっちか空いてませんか?」

「明日は友達と遊ぶ約束があるけど、明後日は何もない…かな」

「じゃあ、俺とデートしてください」




吉乃くんと教室で話をし、告白を受けた後。

私たちは遅れて後夜祭に参加し、終盤に打ち上げられる花火を見た。


吉乃くんと2人で見ることになるとは思っていなかったし、後夜祭にまつわるジンクスが時々頭を過って緊張とドキドキは増す一方だった。




「覚悟しててくださいって言いました。俺、もう遠慮とかしませんよ」

「、」

「二千花先輩に、本気で好きになってもらいたいので」



吉乃くんがデートに誘ってきたのは、最後の花火が散り始めた時だった。

花火の光に照らされた彼の顔は、やっぱりすごく整っていて綺麗だ、と思った。


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