熄えないで
後夜祭にまつわるジンクスの話。
――花火を一緒に見た者同士は付き合える
たかがジンクス。されどジンクス。
吉乃くんへの気持ちはまだはっきりしていないはずなのに、そんなジンクスを思い出してそわそわしたり、吉乃くんのまっすぐな言葉にドキドキしたり。
───もう、答えが半分出ている気がして恥ずかしくなってしまった。
「…わ、わかった」
「行きたいところあれば言ってください。俺も探しときます」
「…吉乃くんの連絡先しらない」
「じゃあ、今交換しましょう」
といった感じでようやく連絡先も交換した。