熄えないで
「、っ吉乃くん……っ、」
「…、二千花先輩?なんでここに…」
きみに会いたくて、ずっと探していた。
言いたいことが───言わなければならないことがあった。
私からの連絡に気づかなかったのは、その隣に居る女の子とデートしてたからなんだね。
知りたくなかった。
ずっと、吉乃くんの好意に甘えていたかった。
「、っ、ごめんね…、っ」
「え、先輩っ」
ごめんね。
好きになるのが遅かったのかもしれないね。
泣きながら走り出すって、漫画の中だけの話だと思っていた。しかもこんな人がたくさんいる駅の中で、なんて最悪だ。
ドラマも小説もフィクションなのに、私に起きているのはノンフィクションだなんて信じたくなかった。