熄えないで
彼女は“かいちょー”に好意を寄せている。
だから、“かいちょー”の彼女である私のことが気に食わないのかもしれないけれど、私はそもそも彼女とは張り合う気はこれっぽっちもない。
奪いたいならさっさと奪ってくれと、私は彼女を見るたびに思っている。
「じゃあ、俺先行くわ。蛍原、いくぞ」
「はぁーい」
「二千花、またあとでな」
「うん。頑張ってね」
足早に去っていく2人の背中を見送り、ひとり小さくため息をつく。
文化祭が近くて助かった。
この時期の生徒会は忙しいと彼からも聞いていたし、文化祭を理由に、一緒に過ごす時間を削ることができるかもしれない。
───と、そんなことを思っていると。
「二千花先輩」
「っわぁ!」