熄えないで
あの後、タイミングが良いのか悪いのか、蒼志くんと遭遇した。
「昨日ぶりっすね!」と朝から元気な蒼志くんの手前、吉乃くんに意味深な言葉の意味を問う暇もないまま昇降口でお別れしたのだ。
少しだけ後悔している。
吉乃くんにちゃんと聞いておけばよかったな。
それってどういう意味なのって、蒼志くんがいようと、あの場でちゃんと正解を教えてもらうべきだった。
そうしたら、こんなふうにお昼まで気にすることにはならなかったかもしれない。
「二千花、聞いてる?」
その言葉にハッとする。そうだった、私は今 屋上で成川くんとお昼を食べているところだった。
成川くんが私の顔を覗き込む。
びく、肩が揺れた。
「ごめんね、ぼーっとしてた。なんの話だっけ」
「生徒会が忙しくなるから、しばらく朝と昼は一緒にいれないかもって話。蛍原に、「このままじゃ間に合いませんよ」って言われた」
「そっか、わかった。頑張ってね」