熄えないで
03.不確かな温度







「起きろ ニチ」

「にっちゃーん、朝だぞー」



───日曜日。

私は、聞きなれたそんな声で目を覚ました。




「…ん、」

「あ。起きた」

「目覚めだけは良いよな」



ぐーっと伸びをして体を起こし、目をこする。

重い瞼を持ち上げてすぐ視界に映った2人の人物に「おはよー…」と挨拶をすると、「おはよ」と、2つ分の声が重なった。




「朝っつーか、もう昼になるけどな」
「ほんと、ニチは寝すぎ」

「かき氷食いに行こうよ にっちゃん」
「ふわふわのやつな!」

「早く起きて」
「準備して」

「にっちゃん」
「にーちー」



日曜日の日課。

このうるさい双子が朝――いや、昼前くらいに私の睡眠時間を妨害しにやってくる。


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