熄えないで
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週明けの月曜日の放課後。
私は、今日も今日とて図書館の静寂に心地よさを覚えながら『消える、参』を読んでいた。
速読ほどではないけれど、読み終えるまでに要する時間は早い方だと思う。
『消える、』ももう読み終わりそうだ。
このシリーズは3巻で終わりなので、これを読み終わったら何を読もうかと 頭の隅で考えながらページをめくる。
図書館の利用者は相変わらず少ない。
貸出カウンターの奥にある机に向かって作業をしている図書担当の先生と、図書室の隅にあるカウンター席に座って本を読む私と、本や資料を借りに来た生徒の姿がちらほら見えるだけ。
ちなみにだけど、図書担当の先生には、図書室を訪れるたびに笑顔で会釈をされるようになった。
(今日もゆっくりしていってね)という先生の心の声が聞こえたような気になるのだ。