熄えないで
04.不手際の休息





「あれ。ニチだ」
「にっちゃんがこの時間ってことは寝坊じゃない?」

「かも。話しかけるもやめる?」
「え。なんで、関係ねーよ」

「だよな」
「だよ」

「おーい、にーちー!」
「にっちゃんおはよー」




───翌日、朝。


昨日の吉乃くんとの出来事を気にしてしまってなかなか寝付けなかった私。

見事に寝坊してしまったので、いつもより2本遅い電車に乗るべく、駅までの道のりを早歩きで歩いていた。


スマホは充電し忘れて20パーセントしかないし、急いでいたせいで 新しく読み始めようとしていた本も忘れてしまった。

最悪だ、本当に。



おまけに、私がこの時間に歩いている=遅刻しかけている と分かっているくせに話しかけてくる呑気な双子に遭遇してしまうなんて、ホントついてない。


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