熄えないで
「にっちゃん」
「瑛斗、」
「今更、彼氏側の気持ち考えたって無駄だと思う。にっちゃんの気持ちがそいつに向いてない時点で、にっちゃんの優しさは優しさじゃなくなってんだからさ。考えて決めた答えなら堂々としてろ」
心配性の瑛斗だからこその言葉。
私の成川くんに対する想いは好意でも優しさでもない、ただの同情だ。
"振ったら可哀想”
"同じ好きを返せなくてごめんなさい”
成川くんが知ったら、きっと彼を惨めにさせるだけの感情。
わかってる。そうだよね。
私もいい加減、うじうじしていられない。
「ありがと、2人とも」
「学校がんばれよー」
「咲斗たちも」
あっという間に駅に着いた。2人に手を振って分かれホームに向かう。
完全に遅刻だけど、今日2人に会えてよかった。